vol.125 ASEANに興味あるけど、狙い目はどの国?その糸口を解説

皆さん、こんにちは。今回は、アセアン(東南アジア諸国連合)を3つのグループに分け、
それぞれの特徴からビジネス戦略のヒントを探っていきたいと思います。

アセアンは10カ国で構成されていますが、国によって経済規模や市場の特性は大きく異なります。
この記事では、アセアンをより理解しやすくするために、独自の視点で分類してみました。

1. 先進アセアン

  • シンガポール
  • マレーシア
  • タイ
  • (ブルネイ)

特徴

  • 一人当たりGDPが高い
  • 組織的なビジネス形態が発達
  • 国際的な都市が多い

これらの国々は、他の東南アジア諸国と比較して経済発展が進んでおり、既に確立された市場と言えるでしょう。シンガポールは世界有数の高所得国であり、マレーシアやタイも一定水準の経済力を有しています。

先進アセアンの市場を覗いてみると、組織的なビジネス形態が特徴的です。コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのチェーン店が充実しており、洗練された消費行動が見られます。

2. 成長アセアン

  • ベトナム
  • インドネシア
  • フィリピン

特徴

  • 人口が多い
  • 今後の経済発展が期待できる
  • 伝統的なビジネス形態も残る

成長アセアンは、今後の市場として最も注目すべきグループです。
ベトナム、インドネシア、フィリピンは、いずれも1億人を超える人口を抱えており、
巨大な消費市場としてのポテンシャルがあります。

これらの国々では、伝統的なビジネス形態も残っています。
街中には個人商店(パパママショップ)が多く、地域に根差した消費行動が特徴的です。

成長アセアンでビジネスを展開するには、コンビニエンスストアなどのチェーン店だけでなく、
パパママショップのような個人商店への流通経路を確保することが重要になります。

3. 途上アセアン

  • カンボジア
  • ラオス
  • ミャンマー

特徴

  • 政治的な不安定要素がある
  • 中国への依存度が高い
  • 市場規模は小さい

途上アセアンは、政治的な不安定さや中国への依存度の高さが懸念される一方、
今後の発展の可能性も秘めています。

これらの国々では、中国の支援によるインフラ整備が進められています。
首都の幹線道路に中国要人の名前が付けられるなど、中国の影響力が大きいことが伺えます。

ただし、カンボジアやラオスは人口規模が小さく、市場規模も限られています。
ミャンマーは内戦状態にあり、政治情勢も不安定です。

まとめ

アセアンを3つのグループに分類することで、それぞれの国の特徴やビジネスチャンスが見えてきます。
自社の製品やサービスに合わせて、最適なアプローチを検討してみてはいかがでしょうか。

  • 先進アセアン:組織的なビジネス形態に適した製品・サービスを展開
  • 成長アセアン:チェーン店と個人商店の両方を視野に入れた流通戦略を構築
  • 途上アセアン:政治情勢や中国の影響力を考慮した上で、長期的な視点で市場開拓を検討

アセアン市場は多様性に富んでおり、それぞれの国に合った戦略が求められます。
この記事が、皆さんのビジネスの参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

社外海外部長・社外COO
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を目指していきませんか?
20年にわたり海外ビジネスに携わり、2度の東南アジア駐在を経験。海外営業マンとして海外の最前線で活躍し、30カ国以上計100社以上の海外企業との販売取引を実現。
また海外現地法人の責任者として外国人組織をリード。会社経営の最適化と事業の活性化に注力。

これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。2025年法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。クライアント企業の内側から、社外海外部長・社外COOとしてコンサルティング支援中。

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