vol.124 なぜ今日本企業はASEANを目指すのか?

皆さん、こんにちは!アタリコンサルティングの金子です。

今回は、海外ビジネスを検討されている方に向けて、特に注目されているASEAN市場と世界各地域を徹底比較します。

「海外進出」と聞くと、どうしてもハードルが高いイメージがあるかもしれません。
しかし、ASEANには他地域にはない魅力がたくさん詰まっているんです!

これからASEAN市場のポテンシャルを紐解き、
進出の足がかりとしていただけるような情報をお届けしていきます。

なぜASEANなのか?世界の主要地域と比較してみよう

まずは、ASEANの立ち位置を明確にするため、世界の主要地域(北米、欧州、中国、インド)と比較してみましょう。

項目ASEAN北米欧州中国インド
市場規模大規模で成長中(人口約6.7億人)成熟市場(人口約3.7億人)成熟市場(人口約4.4億人)成長鈍化(人口約14億人)高成長(人口約14億人)
経済成長率高成長(5%前後)成熟市場で成長率は低い成熟市場で成長率は低い成長率やや鈍化傾向高成長(6〜7%前後)
労働コスト安価で豊富な労働力高コスト高コスト上昇傾向安価
インフラ整備インフラ整備が進行中高度に整備されている高度に整備されている大都市部で整備済み整備は進行中
貿易協定日本とのFTA/EPAが充実EPAありEPAありRCEP参加包括的経済連携協定
市場の多様性各国の市場特性が異なり、多様性が高い比較的均一な市場比較的均一な市場一国に集中多様性はあるが発展途上
親日性高い(文化的・歴史的な結びつき)比較的低い比較的低い中程度高い
地理的近接性日本から近く物流が容易遠距離で物流コスト高遠距離で物流コスト高日本に近い日本からやや遠い
投資リスク中程度(政治的安定性に注意)低い低い中程度(政府規制拡大)中程度(インフラ課題あり)

消費市場としての魅力:ASEANの強み

上記の表からわかるように、ASEAN市場には以下のような強みがあります。

  • 巨大な人口と増加傾向: 現在約6.7億人の人口を抱え、今後も増加が見込まれる巨大市場です。
  • 高い経済成長率: 5%前後の経済成長率を維持しており、消費意欲も旺盛です。
  • 豊富な労働力: 安価で豊富な労働力を確保でき、生産拠点としての魅力も高まっています。
  • 親日的な国民性: 日本の文化や製品に対する親近感が高く、ビジネス展開がしやすい環境です。
  • 地理的な優位性: 日本からの距離が近く、物流コストを抑えることができます。

特に、消費市場として見た場合、人口増加と経済成長率の高さは大きな魅力です。
若い世代が多く、消費意欲も高いため、様々なビジネスチャンスが眠っています。

生産拠点としてのシフト:労働コストの優位性

近年、中国の人件費高騰を受け、生産拠点をASEANに移転する企業が増加しています。

ASEANは依然として労働コストが安価であり、豊富な労働力を確保できます。

特に、製造業においては、ASEANを生産拠点として活用することで、コスト競争力を高めることが可能です。

インフラ整備の進展:ビジネス環境の向上

ASEAN各国では、インフラ整備が急速に進んでいます。

道路、鉄道、港湾などの交通インフラが整備されることで、物流効率が向上し、ビジネス環境が改善されています。

特に、ベトナムのハノイやホーチミンでは、新たな都市鉄道が開通し、周辺地域の開発が進んでいます。

貿易協定の充実:ビジネスの活性化

ASEANは、EPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)などの貿易協定を積極的に締結しています。

これらの協定により、関税の撤廃や貿易障壁の削減が進み、ビジネスが活性化されています。

特に、日本との間では、EPAが充実しており、ビジネス展開がしやすい環境です。

ASEAN市場攻略のヒント:多様性を理解する

ASEANは10カ国から構成されており、各国ごとに文化、経済、法律などが異なります。

そのため、ASEAN市場に進出する際には、各国ごとの特性を理解し、適切な戦略を立てることが重要です。

例えば、インドネシアで売れた商品がタイで売れるとは限りません。各国ごとのニーズを把握し、ローカライズ戦略を検討する必要があります。

投資リスク:政治的安定性に注目

ASEANは、国によって政治的安定性が異なります。

投資リスクを検討する際には、各国の政治情勢を把握し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じることが重要です。

まとめ:ASEANは魅力的な進出先!

ASEAN市場は、巨大な人口、高い経済成長率、豊富な労働力、親日的な国民性など、多くの魅力的な要素を備えています。

特に、初めて海外ビジネスに挑戦する企業にとっては、比較的参入しやすい市場と言えるでしょう。

この記事を参考に、ASEAN市場への進出を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

社外海外部長・社外COO
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を目指していきませんか?
20年にわたり海外ビジネスに携わり、2度の東南アジア駐在を経験。海外営業マンとして海外の最前線で活躍し、30カ国以上計100社以上の海外企業との販売取引を実現。
また海外現地法人の責任者として外国人組織をリード。会社経営の最適化と事業の活性化に注力。

これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。2025年法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。クライアント企業の内側から、社外海外部長・社外COOとしてコンサルティング支援中。

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