vol.127 ASEANとのEPA/FTAで得られるメリットとは何?

皆さんこんにちは。アタリコンサルティングの金子です。

本日は、ASEANとの経済連携協定について解説します。
経済連携協定とは、特定の国や地域間で関税やサービス貿易の
障壁を撤廃・削減することを目的とした協定です。

ASEANとの経済連携協定、3つの枠組み

ASEANとの経済連携協定には、大きく分けて以下の3つの枠組みがあります。

  1. RCEP:日本、ASEAN加盟国、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが参加する広域経済連携
  2. 日ASEAN経済連携協定:日本とASEAN全体で締結している協定
  3. TPP11:日本、カナダ、オーストラリア、シンガポール、ベトナムなど11か国が参加する環太平洋連携協定

経済連携協定のメリット

経済連携協定を結ぶと、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

例えば、日本からタイへ輸出する場合を考えてみましょう。

  • 輸入者(タイ)側のメリット関税がかからないため、仕入れコストを低減できます。
    その分、利益を増やすことも、販売価格を下げて販売量を増やすことも可能です。
  • 輸出者(日本)側のメリット関税がかからないため、価格競争力を高められます。
    韓国と日本が同じ製品をタイへ輸出する場合、仮に日本からの輸出品は関税がかからない分、
    価格で有利になります。

このように、経済連携協定は輸入者・輸出者双方にメリットをもたらします。

輸入関税の調べ方

経済連携協定のメリットを最大限に活かすには、関税率を正確に把握することが重要です。
ここでは、輸入関税の調べ方を解説します。

  1. HSコードを確認するHSコードとは、貿易品目を分類するための国際的な統一コードです。
    まずは、自社製品のHSコードを日本税関の「輸出統計品目表」などで調べましょう。
  2. Rules of Origin Facilitatorを活用するRules of Origin Facilitatorは、
    HSコードに基づいて適用される関税率を調べられる便利なサイトです。
    • 輸出元(日本)輸入先(タイなど)HSコード
    上記3つの情報を入力することで、適用可能な経済連携協定と関税率を一覧で確認できます。

【注意点】

HSコードは輸入国によって異なる場合があります。
必ず輸入者側で使用するHSコードを確認するようにしましょう。

まとめ

経済連携協定は、輸入者・輸出者の双方に大きなメリットをもたらします。

自社のHSコードを調べ、Rules of Origin Facilitatorを活用することで、
経済連携協定のメリットを最大限に活かしましょう。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

社外海外部長・社外COO
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を目指していきませんか?
20年にわたり海外ビジネスに携わり、2度の東南アジア駐在を経験。海外営業マンとして海外の最前線で活躍し、30カ国以上計100社以上の海外企業との販売取引を実現。
また海外現地法人の責任者として外国人組織をリード。会社経営の最適化と事業の活性化に注力。

これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。2025年法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。クライアント企業の内側から、社外海外部長・社外COOとしてコンサルティング支援中。

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