
みなさん、こんにちは。
今回は「流通調査(水とパイプ)」について解説します。
需要調査で「魚がいる池」を見つけたら、次は「どうやってその魚に水を届けるか」。
つまり、ターゲット顧客に商品を届けるための流通経路、パイプを調べる必要があります。
業界構造を理解する
スライド左側をご覧ください。
日用品メーカーを例にすると、モノの流れは次のようになります。
- メーカー
- 販売店(ディストリビューター)
- 二次販売店(サブディスト)
- 小売店(リテーラー)
- 一般消費者
このように、製品が顧客に届くまでには複数のプレイヤーが関わります。
流通調査では、この「階層構造」をしっかり理解することが大切です。
プレイヤーの把握
次に重要なのは、各階層ごとのプレイヤーをバイネームで特定することです。
単に「代理店」や「小売店」ではなく、「誰が」「どの企業が」つながっているのかを調べます。
例えば、A社のディストリビューターがB社の小売チェーンと強いつながりを持っている、といった情報です。
この「パイプのつながり」を把握することで、どこにアプローチすれば効率よく市場に入れるのかが見えてきます。
競合調査
そしてもう一つ大事なのが「競合他社の調査」です。
- どこの国の企業が市場に参入しているのか
- 彼らはどんな製品を扱っているのか
これを調べることで、自社の商品をどのポジションに置くべきかが見えてきます。
例えば、現地メーカーが低価格帯を押さえているなら、自社は高品質・高耐久性で勝負する、
といった差別化戦略が考えられます。
実務的な調査方法
実際にどうやって流通経路を調べるのか。ポイントは3つです。
- 展示会・見本市
現地の主要プレイヤーが一堂に集まる場。名刺交換を通じて、流通のつながりが見えてくる。 - 業界団体・商社へのヒアリング
「この製品を扱っているのはどのディストリビューターか?」と直接聞く。現地商社は特に情報源として有効。 - 店頭・現場調査
実際にスーパーや量販店を訪れ、どの商品がどの会社経由で流れているか確認する。
棚に並んでいるブランドは流通経路を示す生きたデータです。
まとめ
流通調査のポイントをまとめると、
- 業界の階層構造を理解する
- 各階層のプレイヤーをバイネームで把握する
- 競合がどんな製品をどのルートで売っているか調べる
- 展示会・業界団体・現場調査を組み合わせて情報を集める
つまり、「魚がいる池」を見つけたら、「水を流すパイプ」をどう確保するかが次のステップなのです。
以上、「流通調査(水とパイプ)」についての解説でした。
海外展開を考えるときは、需要と同じくらい、この流通経路の調査も重要です。
なぜなら、どんなに良い商品でも、パイプがつながっていなければお客様に届かないからです。

