こんにちは。Atari Consulting の金子です。
今回は、「選ばれる会社になるための3つの差別化軸」 について解説していきます。
そして今回は、より分かりやすく理解していただくために、日本での身近な例をもとに解説していきます。
ビジネスでは、どれだけ良い商品を持っていても、
「なぜ、数ある中からあなたの会社を選ぶべきなのか?」
ここを明確に言語化できなければ、価格競争に巻き込まれてしまいます。
そこで重要になるのが、今回お伝えする 3つの差別化軸 です。
これは中小企業でも大企業でも使える、とてもシンプルで実践的なフレームです。

手軽軸 ― 早い・安い・便利で選ばれる
まず1つ目が 手軽軸 です。
手軽軸は、「早い・安い・便利」 といった“手軽さ”そのものが価値となるタイプの差別化です。
この手軽軸には、次の2つの方向性があります。
1つ目は「最低価格型」。
とにかく安さで勝負するモデル。
2つ目は「利便性型」。
早い、近い、簡単など、使いやすさを徹底的に追求するモデル。
例として、10分カットの QBハウス。
これは「早い・安い・便利」の典型で、利便性型の象徴です。
また、吉野家は「うまい・やすい・はやい」で、最低価格型と利便性型の両方を満たしています。
つまり手軽軸は、
「安さ」で差別化するのか、
「使いやすさ」で差別化するのか
という方向性を定めることがとても重要です。
商品軸 ― 技術や品質そのもので選ばれる
2つ目が 商品軸 です。
商品軸とは、商品そのものの技術力や品質の高さ を理由に選ばれるタイプの差別化です。
商品軸にも2つの方向性があります。
1つ目は「最新技術型」。
革新的な技術や新しい手法を武器にするタイプです。
2つ目は「最高品質型」。
素材の良さ、仕上がりの完成度、体験価値、サービス品質――
商品やサービスを構成するすべての要素の“質そのもの”で勝負するタイプです。
例えば高級フレンチレストランで言えば、最高級の素材を使い、店内の雰囲気から接客まで徹底的にこだわった、
まさにこの最高品質型の象徴です。
同じように、カリスマ美容師のサロンも、仕上がりの美しさや技術精度、体験価値そのものによって評価される点で、
最高品質型のモデルといえます。
つまり商品軸では、
「技術」で勝つのか、
「品質」で勝つのか
この方向性を明確にすることが差別化の鍵となります。
密着軸 ― 関係性や個別対応で選ばれる
3つ目が 密着軸 です。
密着軸は、顧客との関係性 や 個別対応力 を理由に選ばれる差別化軸です。
ここにも2つの方向性があります。
1つ目は「顧客密着型」。
顧客に寄り添い、信頼関係そのものが価値になるタイプです。
馴染みの美容院では、何も言わなくても自分の好みや過去の施術内容を理解してくれており、安心して任せられます。
こうした“理解されている感覚”こそが、顧客密着型の典型的な価値です。
また、地元の飲み屋のように、いつ行っても馴染みのメンバーがいて、アットホームで心休まる空間が生まれる。
こうした関係性の心地よさも、顧客密着型の大きな価値です。
2つ目は「カスタマイズ型」。
カスタマイズ型は、顧客の個別要望に応え、状況に合わせて柔軟に対応内容を変えられるタイプ です。
大手企業では対応が難しい細かな調整や複雑な要望でも、中小企業なら柔軟に応えられる。
この“融通の良さ”が、そのまま差別化ポイントになります。
まとめ
今日ご紹介した3つの差別化軸は次のとおりです。
- 手軽軸
最低価格型/利便性型 - 商品軸
最新技術型/最高品質型 - 密着軸
顧客密着型/カスタマイズ型
自社がどの軸で勝つのかを明確にすることで、
営業資料・展示会・ホームページ・広告、そしてYouTubeのメッセージまで、
すべてが一貫性を持ち、伝わりやすさが圧倒的に高まります。

