vol.37 海外ビジネス展開3つの方法

みなさん、こんにちは。本日は、海外ビジネスを始めたい方向けに、展開方法についてお伝えします。自社が現在どの位置にあり、将来的にどの位置を目指すかを考えることが重要です。それでは、詳細を見ていきましょう。

初級編:日本で国内販売

これまで海外ビジネスの経験がない場合や会社に海外ビジネスの専門家が不足している場合、国内販売から始めることをお勧めします。

具体的には、次の2つの方法が考えられます。1つ目は、国内の商社を通じて海外販路を拡大する方法です。自社が直接海外市場に進出する必要はないため、社内リソースの投入が少なくて済みます。しかし、商社を介するため、海外展開の実感が薄くなる場合があります。また、中間マージンが発生するため、利益率が低下する可能性があります。

もう1つは、日本にいる海外企業への販売です。これは業界によって異なりますが、例えば日本酒業界では、海外バイヤーが日本に滞在し、酒蔵と直接交渉するケースがあります。

この方法では、海外市場の需要やトレンドを直接海外バイヤーから聞くことができます。取引は日本国内で完結するため、荷物の取り扱いや支払いに関しては日本で行われます。ただし、海外での商品取扱いや環境に関する情報は、自社のコントロール下にないため把握が難しい場合があります。

どちらの方法を選択するかは、会社のリソースや目標、市場状況に応じて検討する必要があります。

中級編:日本からの輸出販売

自社で海外ビジネスに積極的に関与し、売上を伸ばしたいと考えています。営業マンや貿易実務者も揃っていますので、日本からの輸出販売を検討するのが良いでしょう。

この方法では、中間業者を介さずに直接海外のバイヤーやディストリビューターに販売を行います。そのため、中間マージンが発生せず、利益率が上がる利点があります。一方で、市場調査やパートナーの探索、商談や販促活動など、多くの作業が自社で行われる必要があります。

しかし、自社での努力が直接的に利益として返ってくる喜びもあります。この取り組みは、大きな魅力を持っていますね。

上級編:海外拠点からの販売

海外での売上規模が拡大しており、生産拠点も海外に設け、地産地消を念頭に世界へのビジネスを本格的に拡大していくステージです。

この段階においては、海外拠点を構えることが検討されます。海外拠点には一般的に、現地法人や支店、駐在員事務所などの選択肢がありますが、駐在員事務所では営利活動が禁止されていますので、現地法人か支店を設立することになるでしょう。

その場合、日本から駐在員を派遣し、現地の組織運営が必要となります。現地人の雇用から組織マネジメントまで多岐にわたる作業が必要ですが、ASEANエリアを筆頭に、将来の人口ポテンシャルや経済成長率を考慮すると、海外ビジネスの選択肢として検討されることが適切かと考えます。

まとめ

海外ビジネス展開における段階的アプローチでまとめると下記のとおりです。
御社の状況と照らし合わせ、今後のビジネスプランを描いていって下さい。

初級編:国内販売からスタート。商社経由や海外企業への販売が選択肢。リソース投入が少ないが、利益率が低下する可能性あり。
中級編:自社で輸出販売。利益率向上だが、市場調査やパートナー探しに多くの労力が必要。
上級編:海外拠点設立。現地法人や支店を検討し、組織運営に多大な労力が必要。地産地消を念頭に世界へのビジネス拡大を目指す。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

社外海外部長・社外COO
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を目指していきませんか?
20年にわたり海外ビジネスに携わり、2度の東南アジア駐在を経験。海外営業マンとして海外の最前線で活躍し、30カ国以上計100社以上の海外企業との販売取引を実現。
また海外現地法人の責任者として外国人組織をリード。会社経営の最適化と事業の活性化に注力。

これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。2025年法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。クライアント企業の内側から、社外海外部長・社外COOとしてコンサルティング支援中。

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