
みなさん、こんにちは。
今回は「海外で成果を出している企業」について、JETROの調査データを基に解説していきます。
日本企業が海外に進出するとき、品質や性能の高さは強みとしてよく語られます。
しかし実際に成果を出している企業を分析すると、それだけでは足りず、
「マーケティング力」こそが成否を分けていることが明らかになっています。
JETROの調査結果
スライドにあるグラフは、JETROが2022年度に実施した「海外進出日系企業実態調査」の結果です。
全体の平均と、業績が好調な企業300社を比較しています。
この中で注目すべきは「マーケティング戦略」の項目です。
全体平均ではマイナス1.3ポイントと弱みとして出ていますが、
好調企業ではプラス14.3ポイント。
なんと 15ポイント以上の差 がついているのです。
つまり、海外で成果を出している企業ほど、「販売の仕組みづくり」
「市場の読み取り」「顧客へのアプローチ」といったマーケティング面を強みにしている、
ということが数字で示されています。
成功企業の取り組み例
調査の中では、国ごとに具体的な成功事例も挙げられています。
例えば、
- インド:都市部の中間層を狙ったターゲティングや、デジタル広告の活用
- ベトナム:再販網の強化、販路を広げる取り組み
- タイ:SNSを駆使した消費者への直接リーチ
- オーストラリア:現地小売業者との連携によるブランド認知向上
など、それぞれの市場環境に合わせて、マーケティングの仕組みを強化しているのが分かります。
戦略と戦術の両輪
ここで重要なのは、単に広告を打つという話ではない、ということです。
企業は「マーケティング戦略」と「マーケティング戦術」の両方を明確にしています。
- 戦略では、販売コンセプトや方向性を示し、誰に何をどう売るのかを定める。
- 戦術では、SNS活用、販路開拓、プロモーションといったアクションプランを具体化する。
この両輪が噛み合って初めて、現地での成果につながります。
まとめ
まとめると、JETROのデータから分かるのは次の3点です。
- 日本企業は品質・性能では強みがあるが、成果を出す企業はさらに「マーケティング力」を強みにしている
- 好調企業はマーケティング戦略で平均を大きく上回り、15ポイント以上の差をつけている
- 国ごとの市場環境に合わせて、戦略と戦術を組み合わせて実行している
つまり、海外市場で勝ち残るためには「いいモノを作る」だけではなく、
「どう売るか」を徹底的に考えることが欠かせない、ということです。
以上、JETROの調査をもとに「海外で成果を出している企業の共通点」をご紹介しました。
みなさんのビジネスにおいても、ぜひマーケティングの観点を取り入れ、戦略と戦術の両面から取り組んでみてください。