
みなさん、こんにちは。
今回は「環境調査(追い風と向かい風)」について解説します。
需要や流通を調べても、外部環境の変化によってビジネスの成果は大きく左右されます。
ここでは「チャンスを最大化し、リスクを最小化する」ために、外部環境を4つの視点から見ていきます。
4つの環境要因
スライドにあるように、環境調査は Politics(政治)・Economy(経済)・Social(社会)・Technology(技術) の4つに分けて考えます。
これは「PEST分析」とも呼ばれるフレームワークです。
1. 政治(Politics)
政治の安定性や政策は、直接ビジネスに影響します。
- 政府の安定性
- 税制や補助金
- 輸入規制や法的要件
- 貿易政策と関税
- 労働法
例えば、関税率の変更一つで価格競争力は大きく変わります。
FTAやEPAによる「関税の優遇措置」が使えるかどうかも、進出判断に欠かせません。
2. 経済(Economy)
次に経済です。企業の運営に直結する要素が多い分、特に重要です。
- 経済成長率
- 金利
- 為替レート
- インフレ率
- 失業率
例えば、為替が急激に変動すると、収益が大きく振れる可能性があります。
また、現地の購買力を測る上では、成長率やインフレ動向を把握することが不可欠です。
3. 社会(Social)
社会環境は、消費者行動や需要の方向性に直結します。
- 人口動態(若年層が多いか、高齢化か)
- 文化的傾向
- 消費者の態度や行動
- 健康意識
- 教育レベル
例えば、健康志向が高まる市場では、食品メーカーにとって大きな追い風になります。
逆に教育水準が低いと、高度な技術を使う製品の普及に時間がかかるかもしれません。
4. 技術(Technology)
最後は技術です。技術の進歩やインフラが整っているかどうかも重要です。
- 技術革新のスピード
- 研究開発活動
- 技術インフラ
- 自動化やデジタル化の進展
- 技術移転
例えば、ECが急速に普及している国では、デジタルマーケティングを活用することで一気にシェアを伸ばすチャンスがあります。
まとめ
環境調査の目的は、「追い風」を見つけ、「向かい風」に備えること です。
- 政治:規制や政策の変化に注意
- 経済:購買力や収益に直結
- 社会:需要の方向性を決定
- 技術:新しい販路や競争力の源泉
これらを事前に見極めることで、進出判断の精度を高め、リスクを最小限に抑えることができます。
以上、「環境調査(追い風と向かい風)」について解説しました。
海外市場に挑戦する際は、この4つの視点を必ずチェックリストのように確認し、戦略を立てることが重要です。

