vol.140 海外展開の勝ち筋を見極める──最初にやるべき6つの設計ポイント

こんにちは。Atari Consulting の金子です。
今回は、海外展開を成功させるための“シナリオ設計”について、スライドをもとに解説していきます。
数分ほどでサクッと理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。


1. どの市場・業界で戦うのか

最初に検討すべきは、「どの国・市場・業界に入るのか」です。
商品によっては、日本での市場がそのまま海外の同じ市場で受け入れられるとは限りません。
逆に、想定とはまったく違う分野から需要が生まれるケースもあります。

例えば、ある日本の 食品加工用スライサー は、もともと国内では精肉や惣菜向けに販売されていました。
しかしベトナムに展示したところ、最初に反応したのは「製菓・スイーツ工場」でした。
理由は、マンゴーやドラゴンフルーツなどの南国フルーツを薄く均一にスライスする機械が不足していたためです。

このように、

  • 国内と海外で“用途”が異なる
  • 想定外の業界が強いニーズを持っている
  • 価格帯や仕様が別の市場にちょうどフィットする

といった“意外なマッチング”が起こるのが海外市場です。

だからこそ、最初から国内と同じ市場だけを狙うのではなく、広い視点で 需要調査を行い、
どこに本当の需要があるのかを見極めること が重要になります。


2. どんなお客様に売るのか

次に考えるべきはターゲット顧客です。
海外といっても、“誰に売るのか” が明確になっていなければ、効果的な戦略は立てられません。

具体的には、ターゲット顧客が

  • どんなニーズを持っているか
  • どんな悩みを抱えているのか
  • その中で、なぜあなたの会社を選んでくれそうなのか

これらを深く掘り下げていく必要があります。

そのためにも、ヒアリングやデスクリサーチを通じた需要調査 が欠かせません。
ターゲットが明確になれば、プロモーションもブレずに進められます。


3. 何を売るのか

3つ目は、「どの商品・サービスで勝負するか」です。
すでに国内で売れている商品であっても、海外では刺さらないケースは多くあります。

仕様、価格、サイズ、安全基準、アフターサービスなど、求められる条件は国によって異なります。
したがって、海外向けの“売れる仕様”を明確にするためには、顧客情報や競合製品仕様を含めた“流通調査”が重要になります。


4. 誰を通して売るのか

プレーヤー選びも非常に重要なポイントです。
ターゲット顧客に商品を届けるためには、どのディストリビューターやエージェントと組むかによって、成果が大きく左右されます。

パートナーを選ぶ際には、

  • その国での市場カバレッジはどれくらいか
  • どの業界に強みを持っているか
  • 自社との相性や価値観は合っているか

といった点を丁寧に確認する必要があります。

こうした判断材料は、流通調査 を行うことで明確になります。
最適なパートナーを選定できれば、海外展開の成功確率は大きく高まります。


5. 売るうえでの障害は何か

海外展開には、必ずさまざまな「障害」が存在します。例えば、

  • 現地国での輸入規制
  • 現地で販売するために必要な許認可
  • 各国ごとの安全基準や品質基準

こうした障害を事前に整理し、「どう乗り越えるのか」を明確にしておくことが非常に重要です。
これらは 環境調査 を通じて事前に洗い出すことができます。


6. 最終的に達成したい目標か

最後に重要なのが「達成したい目標になっているのか」という点です。

今回の海外展開プロジェクトを進めるうえで、最終的にどの状態を目指すのか。その目標が、
これから進めている行動の延長線上にしっかり描けているかどうかがポイントになります。
もし、その延長線上に目標が描けないのであれば、“あえてやらない”という判断も必要です。

もう一つ重要になるのが 社内コンセンサスです。

特に組織が大きくなればなるほど、新規事業を始める際には社内での稟議が必要になります。
海外展開プロジェクトも例外ではなく、担当者が経営者層に向けて「なぜこれをやるべきなのか」を説明し、承認を得る場面が必ず出てきます。

その際、経営者が最も気にするポイントは、
このプロジェクトが本当に利益につながるのかどうか という点です。

だからこそ、このシナリオ設計のプロセスを通じて、
「なぜ海外展開をやるべきなのか」「どこに勝ち筋があるのか」
という“理由”を論理的に導き出していく必要があります。


まとめ

以上が、シナリオ設計の6つのポイントです。

  1. どの市場・業界で
  2. どんなお客様に
  3. 何を売るのか
  4. 誰を通して
  5. 売る上の障害は
  6. 達成したい目標か

これらを整理していき、“勝てるか・やるべきか”を社内で判断してみてください。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

社外海外部長・社外COO
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を目指していきませんか?
20年にわたり海外ビジネスに携わり、2度の東南アジア駐在を経験。海外営業マンとして海外の最前線で活躍し、30カ国以上計100社以上の海外企業との販売取引を実現。
また海外現地法人の責任者として外国人組織をリード。会社経営の最適化と事業の活性化に注力。

これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。2025年法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。クライアント企業の内側から、社外海外部長・社外COOとしてコンサルティング支援中。

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