vol.131 海外進出で失敗しない!戦うための心構え6選

海外市場への進出は、新たなビジネスチャンスを掴むための大きな一歩です。
しかし、国内でのビジネスとは状況が全く異なり、思わぬ壁にぶつかることも少なくありません。
「これを知らないと、途中で頓挫してしまう…」そんな事態を避けるために、
海外で戦う上でぜひ押さえておきたい6つの心構えをご紹介します。

1. 新規事業のつもりで取り組む(新参者)

まず最初に、海外市場はあなたにとって全く新しい場所であることを認識しましょう。
国内では実績や知名度がある企業でも、海外に出れば「新参者」です。
あなたの会社や製品・サービスを知らない人がほとんどという前提で考える必要があります。

これは、新しい事業を立ち上げる「新規事業」と同じこと。
ゼロからイチを生み出すつもりで、明確な目標を設定し、具体的な計画を立てて取り組むことが、
海外進出を成功させるための大前提となります。

2. 長期戦を覚悟する

海外市場に根を下ろすには、時間がかかります。
数ヶ月で目に見える成果を出すのは難しく、数年、場合によっては10年単位の長期的な視点が必要です。

特に中小企業の場合、大手企業に比べて資金力に限りがあることが多いでしょう。
広告宣伝費などを潤沢にかけられないからこそ、コツコツとスキルやノウハウを
積み重ねていく努力が重要になります。すぐに成果が出なくても焦らず、将来的な
「大収穫」を目指して粘り強く取り組む心構えを持ちましょう。

3. 積極的に情報発信する

「良いものを作れば自然に売れるだろう」という考え方は、
海外では通用しにくいケースが多いです。どれだけ素晴らしい製品やサービスでも、
顧客に「知ってもらえなければ」、存在しないのと同じです。

海外市場で製品・サービスを広めるためには、「知ってもらう」ための情報発信が不可欠です。
Webサイトはもちろん、現地の主要なSNSなどを活用して、ターゲット顧客に合わせた方法で積極的に情報を届けましょう。

4. 現地の競合相手を知る

日本国内での競合相手は主に日本のメーカーかもしれませんが、
海外、特に東南アジアなどでは、様々な国の企業が競合となります。

  • 中国企業: 大量生産、安さ、早さを武器に市場を拡大している。
  • 韓国企業: 安さだけでなく、強力な営業力で市場を攻めている。
  • 欧米企業: デザイン性や高付加価値を切り口に展開している。
  • 現地の地場企業: 安さや地域のネットワークを活かしている。

これらの競合相手の強みを理解し、御社がどのようなポイントで差別化を図っていくのか、
戦略を練ることが非常に重要です。

5. スピード感を意識する

海外企業、特にアジアの企業とのビジネスでは、やり取りのスピードが非常に速いと感じることがあります。
メールで一通ずつやり取りするのではなく、チャットツールなどを活用して、
スピーディーに交渉や意思決定を進めるのが一般的です。

これは日本企業が苦手とするところかもしれませんが、
海外でビジネスを行う上では欠かせない要素です。
あらかじめこうしたスピード感に対応できるよう、
コミュニケーション手段や社内体制について意識し、準備しておくことが大切です。

6. 出口戦略も検討する

海外進出は素晴らしい挑戦ですが、全ての市場で成功するとは限りません。
いくら時間、お金、労力をかけても、需要がない市場で事業を続けることは、資源の無駄になってしまいます。

そういった事態に備え、参入する際に「いつまで続けるか」「どのような基準で撤退を判断するか」
といった出口戦略を検討しておくことも重要です。

例えば、「3年間やって、目標の〇〇%を達成できなければ撤退する」といった基準を設けることで、
感情的にならず冷静な判断が下せます。これは決してネガティブなことではなく、無駄な投資を避け、
次のチャンスを探るための賢明な決断と言えるでしょう。

まとめ

海外でビジネスを展開することは、国内とは全く異なる環境での挑戦です。
今回ご紹介した「新規事業のつもり」「長期戦」「情報発信」「競合理解」「スピード感」「出口戦略」
という6つの心構えは、海外で戦い抜き、成功を掴むために非常に重要な羅針盤となります。

これらの心構えをしっかりと意識し、計画的に取り組むことが、海外進出の成功確率を大きく左右します。
ぜひ、今回の内容を参考に、あなたの会社の海外での挑戦を成功させてください!

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

社外海外部長・社外COO
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を目指していきませんか?
20年にわたり海外ビジネスに携わり、2度の東南アジア駐在を経験。海外営業マンとして海外の最前線で活躍し、30カ国以上計100社以上の海外企業との販売取引を実現。
また海外現地法人の責任者として外国人組織をリード。会社経営の最適化と事業の活性化に注力。

これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。2025年法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。クライアント企業の内側から、社外海外部長・社外COOとしてコンサルティング支援中。

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