海外市場への進出を検討する際、現地のディストリビューターとの連携は非常に重要です。
ディストリビューターは、単に商品を運ぶだけでなく、多岐にわたる役割を担っています。
今回は、ディストリビューターが果たす主な4つの役割について解説します。

1. 在庫管理
海外への製品供給において、ディストリビューターはまずメーカー(御社)から商品を仕入れ、
現地の倉庫で在庫として保管します。
これにより、現地の販売店が必要な時に迅速に商品を供給できるようになります。
多くのディストリビューターは、御社の製品だけでなく、様々なメーカーの商品を取り扱っています。
そのため、効率的な倉庫管理体制を整えていることが多く、御社にとって海外での在庫スペース確保や
管理の手間を省くことができるメリットがあります。
2. 営業・販売促進
ディストリビューターの重要な役割の一つが、現地の販売ネットワークを活用した営業活動です。
彼らは現地の市場や顧客ニーズに精通しており、販売店への定期的な訪問などを通じて御社製品を提案・販売します。
また、御社と協力して製品に関するセミナーや展示会を現地で開催したり、
販売促進のためのマーケティング活動を代行したりすることもあります。
現地の言葉や文化に合わせた効果的なPR活動を展開することで、製品の認知度向上や販売拡大をサポートしてくれます。
3. 流通・配送
販売が決定した商品は、ディストリビューターが自社の流通網を使って販売先
(小売店、二次卸、あるいはエンドユーザーなど)へ配送します。
これにより、御社は海外への複雑な輸送プロセスをディストリビューターに任せることができます。
契約前に、どのようなエリアの販売先まで配送が可能かなど、ディストリビューターの持つ流通網を確認しておくことが重要です。
4. アフターサポート
製品にトラブルや不具合が発生した場合、現地にいるディストリビューターが一次的な対応を行うことが期待されます。
日本から直接現地の顧客からの問い合わせに対応したり、迅速な修理や交換を行うのは時間的、地理的に難しい場合があります。
ディストリビューターが現地の顧客からの問い合わせを受け付け、簡単な技術サポートや初期不良対応、
消耗品の交換などを担うことで、迅速な問題解決が可能となり、顧客満足度の維持・向上に貢献します。
BtoB向けの機械や設備などの場合、設置やメンテナンスを担うケースもあります。
まとめ:ディストリビューターとの連携を成功させるために
このように、ディストリビューターは海外進出において、「在庫管理」「営業・販売促進」「流通・配送」「アフターサポート」という
主に4つの重要な役割を担い、御社の製品を現地の市場に届ける橋渡しとなります。
ディストリビューターと契約する際は、これらの役割について、どこまでをディストリビューターに任せるのか、
あるいは御社で対応するのかを事前にしっかりと協議し、役割分担を明確にしておくことが、
海外ビジネスを成功させるための鍵となります。
契約締結前に、ディストリビューターがこれらの役割をどこまで担える能力があるのか、
どのような実績があるのかなどを確認し、密にコミュニケーションを取ることをおすすめします。