vol.135 データで解説!海外で成果をあげる企業あげない企業その一番の違いとは?

みなさん、こんにちは。
今回は「海外で成果を出している企業」について、JETROの調査データを基に解説していきます。

日本企業が海外に進出するとき、品質や性能の高さは強みとしてよく語られます。
しかし実際に成果を出している企業を分析すると、それだけでは足りず、
「マーケティング力」こそが成否を分けていることが明らかになっています。

JETROの調査結果

スライドにあるグラフは、JETROが2022年度に実施した「海外進出日系企業実態調査」の結果です。
全体の平均と、業績が好調な企業300社を比較しています。

この中で注目すべきは「マーケティング戦略」の項目です。
全体平均ではマイナス1.3ポイントと弱みとして出ていますが、
好調企業ではプラス14.3ポイント。
なんと 15ポイント以上の差 がついているのです。

つまり、海外で成果を出している企業ほど、「販売の仕組みづくり」
「市場の読み取り」「顧客へのアプローチ」といったマーケティング面を強みにしている、
ということが数字で示されています。

成功企業の取り組み例

調査の中では、国ごとに具体的な成功事例も挙げられています。
例えば、

  • インド:都市部の中間層を狙ったターゲティングや、デジタル広告の活用
  • ベトナム:再販網の強化、販路を広げる取り組み
  • タイ:SNSを駆使した消費者への直接リーチ
  • オーストラリア:現地小売業者との連携によるブランド認知向上

など、それぞれの市場環境に合わせて、マーケティングの仕組みを強化しているのが分かります。

戦略と戦術の両輪

ここで重要なのは、単に広告を打つという話ではない、ということです。
企業は「マーケティング戦略」と「マーケティング戦術」の両方を明確にしています。

  • 戦略では、販売コンセプトや方向性を示し、誰に何をどう売るのかを定める。
  • 戦術では、SNS活用、販路開拓、プロモーションといったアクションプランを具体化する。

この両輪が噛み合って初めて、現地での成果につながります。

まとめ

まとめると、JETROのデータから分かるのは次の3点です。

  1. 日本企業は品質・性能では強みがあるが、成果を出す企業はさらに「マーケティング力」を強みにしている
  2. 好調企業はマーケティング戦略で平均を大きく上回り、15ポイント以上の差をつけている
  3. 国ごとの市場環境に合わせて、戦略と戦術を組み合わせて実行している

つまり、海外市場で勝ち残るためには「いいモノを作る」だけではなく、
「どう売るか」を徹底的に考えることが欠かせない、ということです。

以上、JETROの調査をもとに「海外で成果を出している企業の共通点」をご紹介しました。
みなさんのビジネスにおいても、ぜひマーケティングの観点を取り入れ、戦略と戦術の両面から取り組んでみてください。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

社外海外部長・社外COO
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を目指していきませんか?
20年にわたり海外ビジネスに携わり、2度の東南アジア駐在を経験。海外営業マンとして海外の最前線で活躍し、30カ国以上計100社以上の海外企業との販売取引を実現。
また海外現地法人の責任者として外国人組織をリード。会社経営の最適化と事業の活性化に注力。

これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。2025年法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。クライアント企業の内側から、社外海外部長・社外COOとしてコンサルティング支援中。

屋号:Atari Consulting株式会社
住所:愛知県名古屋市中区金山1丁目14-16 トキワビル5階Voltage名古屋
電話:080-4159-8174