vol.155 日本企業の海外営業あるある【見積編】|商談のチャンスを逃さないための2つのポイント

海外営業では、優れた商品や技術を持っていても、商談の進め方一つで受注を逃してしまうことがあります。

今回は、私がASEANで20年以上海外営業に携わる中で、数多く見てきた**「日本企業の商談あるある【見積編】」**をご紹介します。

どちらも日本では当たり前の対応ですが、海外では商談の主導権を失う原因になりかねません。


あるある① 「見積は日本に帰ってからメールします!」

日本企業では、商談後に社内承認を取り、正式な見積書を提出することが一般的です。

しかし海外営業では、その数日間の遅れが大きな機会損失につながることがあります。

商談が終わった直後は、お客様の購買意欲が最も高まっているタイミングです。

ところが、

「見積は日本へ戻ってから送ります。」

と伝えてしまうと、その間にお客様の熱量は徐々に下がり、競合他社との商談が進んでしまうことも珍しくありません。

なぜ、その場で見積を出せないのか?

理由の一つは、

「相手の反応を見てから価格を決めたい」

という心理です。

できるだけ有利な条件で交渉したいという思いから、その場で価格を提示できず、日本へ持ち帰ってしまうケースが多くあります。

しかし、その判断が商談のスピードを落とし、ビジネスチャンスを逃す原因になることがあります。

改善策

商談前に、

  • 価格レンジ
  • 値引きできる範囲
  • 特別条件

などを社内で事前承認しておくことが重要です。

その場で提案できる体制を整えておけば、商談の勢いを止めることなく、受注につながる可能性が高まります。

海外営業では、「スピード」も競争力の一つです。


あるある② 「要求されていないのに値下げしました!」

もう一つよく見かけるのが、

お客様から価格交渉をされていないにもかかわらず、自ら値下げしてしまうケースです。

「少し値引きしておきます。」

という一言を、親切心やサービスのつもりで伝えてしまうことがあります。

その背景には、

  • 高いと思われたくない
  • 商談を断られたくない
  • 良い印象を持ってもらいたい

という心理があります。

しかし海外では、この行動が逆効果になることも少なくありません。

お客様は、

「まだ値下げできる商品なんだ。」

と受け止め、さらに価格交渉を続けてくる可能性があります。

結果として、自ら交渉の主導権を手放してしまうのです。


日本企業が勝負すべきなのは「価格」ではなく「価値」

日本の中小企業は、価格競争で勝負する必要はありません。

むしろ日本企業には、

  • 高い技術力
  • 優れた品質
  • 高い耐久性
  • きめ細かな対応
  • 手厚いアフターサービス

といった、多くの強みがあります。

だからこそ、高付加価値の商品として適正な価格で販売し、しっかり利益を確保することが重要です。

利益が確保できるからこそ、

  • 新製品の開発
  • 品質向上
  • サービス改善
  • 人材育成

への投資が可能になります。

価格で選ばれる会社ではなく、価値で選ばれる会社を目指すことが、海外市場で長く成長し続けるためのポイントです。


まとめ

海外営業では、

  • 「見積は帰国後に送ります」
  • 「要求されていないのに値下げします」

この2つは、どちらも商談の主導権を失いやすい行動です。

商談前に価格戦略を準備し、お客様の熱量が高いうちに提案する。

そして、安売りではなく、高付加価値の商品を適正価格で販売し、利益を確保する。

この考え方こそが、海外市場で継続的に成果を上げるための重要なポイントです。

Atari Consultingでは、ASEANで20年以上の海外営業経験をもとに、商談の進め方から価格戦略、ディストリビューター支援、海外営業体制の構築まで、実践的なサポートを行っています。

海外営業で成果を伸ばしたい企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

海外営業・経営改善支援コンサルタント
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を支援
20年の海外ビジネス経験。2度の東南アジア駐在。海外営業マンとして約30カ国100社の海外企業との取引実績。
海外現地法人の経営者として、外国人組織のマネジメント経験。

これらの経験から2023年3月に独立開業、2025年4月に法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。わかりやすさとていねいさを強みとし、熱量とスピード感を持ってクライアント企業の事業を前進させます。

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