
海外営業では、優れた商品や技術を持っていても、商談の進め方一つで受注を逃してしまうことがあります。
今回は、私がASEANで20年以上海外営業に携わる中で、数多く見てきた**「日本企業の商談あるある【見積編】」**をご紹介します。
どちらも日本では当たり前の対応ですが、海外では商談の主導権を失う原因になりかねません。
あるある① 「見積は日本に帰ってからメールします!」
日本企業では、商談後に社内承認を取り、正式な見積書を提出することが一般的です。
しかし海外営業では、その数日間の遅れが大きな機会損失につながることがあります。
商談が終わった直後は、お客様の購買意欲が最も高まっているタイミングです。
ところが、
「見積は日本へ戻ってから送ります。」
と伝えてしまうと、その間にお客様の熱量は徐々に下がり、競合他社との商談が進んでしまうことも珍しくありません。
なぜ、その場で見積を出せないのか?
理由の一つは、
「相手の反応を見てから価格を決めたい」
という心理です。
できるだけ有利な条件で交渉したいという思いから、その場で価格を提示できず、日本へ持ち帰ってしまうケースが多くあります。
しかし、その判断が商談のスピードを落とし、ビジネスチャンスを逃す原因になることがあります。
改善策
商談前に、
- 価格レンジ
- 値引きできる範囲
- 特別条件
などを社内で事前承認しておくことが重要です。
その場で提案できる体制を整えておけば、商談の勢いを止めることなく、受注につながる可能性が高まります。
海外営業では、「スピード」も競争力の一つです。
あるある② 「要求されていないのに値下げしました!」
もう一つよく見かけるのが、
お客様から価格交渉をされていないにもかかわらず、自ら値下げしてしまうケースです。
「少し値引きしておきます。」
という一言を、親切心やサービスのつもりで伝えてしまうことがあります。
その背景には、
- 高いと思われたくない
- 商談を断られたくない
- 良い印象を持ってもらいたい
という心理があります。
しかし海外では、この行動が逆効果になることも少なくありません。
お客様は、
「まだ値下げできる商品なんだ。」
と受け止め、さらに価格交渉を続けてくる可能性があります。
結果として、自ら交渉の主導権を手放してしまうのです。
日本企業が勝負すべきなのは「価格」ではなく「価値」
日本の中小企業は、価格競争で勝負する必要はありません。
むしろ日本企業には、
- 高い技術力
- 優れた品質
- 高い耐久性
- きめ細かな対応
- 手厚いアフターサービス
といった、多くの強みがあります。
だからこそ、高付加価値の商品として適正な価格で販売し、しっかり利益を確保することが重要です。
利益が確保できるからこそ、
- 新製品の開発
- 品質向上
- サービス改善
- 人材育成
への投資が可能になります。
価格で選ばれる会社ではなく、価値で選ばれる会社を目指すことが、海外市場で長く成長し続けるためのポイントです。
まとめ
海外営業では、
- 「見積は帰国後に送ります」
- 「要求されていないのに値下げします」
この2つは、どちらも商談の主導権を失いやすい行動です。
商談前に価格戦略を準備し、お客様の熱量が高いうちに提案する。
そして、安売りではなく、高付加価値の商品を適正価格で販売し、利益を確保する。
この考え方こそが、海外市場で継続的に成果を上げるための重要なポイントです。
Atari Consultingでは、ASEANで20年以上の海外営業経験をもとに、商談の進め方から価格戦略、ディストリビューター支援、海外営業体制の構築まで、実践的なサポートを行っています。
海外営業で成果を伸ばしたい企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

