vol.156 日本企業の海外営業あるある【コミュニケーション編】|「返信が遅い」と思われないための2つのポイント

海外企業と仕事をしていると、

「日本企業は返信が遅い」

という印象を持たれることがあります。

もちろん、日本企業の仕事が遅いというわけではありません。

むしろ、品質や正確性を重視し、慎重に対応している企業がほとんどです。しかし、その姿勢が海外では「対応が遅い」と受け取られ、商談のチャンスを逃してしまうことがあります。

今回は、海外営業でよく見かける**「日本企業あるある【コミュニケーション編】」**として、2つの事例をご紹介します。


あるある① 「亀さん並みのスピード感」

海外のお客様から問い合わせが届くと、多くの日本企業では、

  • 工場へ確認する
  • 技術部門へ相談する
  • 上司の承認を得る

といった社内調整を行い、すべての回答がそろってから返信するケースが少なくありません。

一方で、その間にも競合他社は、

  • 見積書を送る
  • 仮提案を行う
  • 次回の打ち合わせを設定する

など、すぐに行動を起こしています。

その結果、日本企業が見積書を提出した頃には、

「すでに他社で決まりました。」

というケースも珍しくありません。


なぜ返信が遅くなってしまうのか?

背景には、日本企業ならではの2つの考え方があります。

① 完璧主義

「100%正しい回答をしてから返信したい」

という考え方です。

正確性を重視する姿勢は日本企業の強みですが、海外営業では時間がかかりすぎると、商談の機会そのものを失ってしまうことがあります。

② 社内第一主義

もう一つは、

「まず社内調整を済ませてから、お客様へ回答する」

という考え方です。

もちろん社内調整は重要ですが、海外では「迅速なレスポンス」も信頼を築く重要な要素として評価されています。


改善ポイント

海外営業では、

「社内で決まってから返信する」のではなく、「まず返信して、お客様を待たせない」

という意識が大切です。

例えば、

お問い合わせありがとうございます。現在社内で確認しております。○月○日までに回答いたします。

このような一次返信だけでも、お客様は安心して待つことができます。

海外営業では、完璧さだけでなく、スピードも品質の一つです。


あるある② 「メールを送ったら終わり」

日本企業では、

「メールを送ったので、あとは返信を待つ」

というコミュニケーションが一般的です。

しかし海外では、それだけでは連絡が止まってしまうことがあります。


「送った」と「伝わった」は違う

日本では、

「メールを送った=相手に伝わった」

という感覚があります。

一方、海外では、

「相手が読んで初めて伝わった」

という考え方が一般的です。

つまり、送信したことではなく、相手が確認したかどうかが重要なのです。


海外では複数の連絡手段を使い分ける

海外では、メールを送った後に、

  • WhatsApp
  • LINE
  • WeChat
  • 電話

などを活用して、

「メールを送りましたので、ご確認をお願いします。」

と一言連絡することがよくあります。

特にASEANでは、メールよりもチャットアプリのほうが日常的に使われているケースも多く、相手が最も反応しやすい手段を選ぶことが重要です。

もちろん、会社のルールや情報管理を守ることが前提ですが、コミュニケーション手段を柔軟に使い分けることで、やり取りは格段にスムーズになります。


まとめ

海外営業では、コミュニケーションの質だけでなく、スピードも重要な評価ポイントです。

今回ご紹介したポイントをまとめると、

  • 社内調整が終わるまで待たず、まず一次返信を行う
  • メールだけに頼らず、電話やチャットアプリも活用する
  • 「送った」ではなく「伝わった」を意識する
  • 完璧さだけでなく、スピードも信頼につながることを理解する

この考え方を取り入れるだけでも、海外企業とのコミュニケーションは大きく変わります。

Atari Consultingでは、ASEANで20年以上の海外営業経験をもとに、海外営業の進め方やコミュニケーション改善、ディストリビューターとの関係構築まで、実践的な支援を行っています。

「海外企業とのやり取りがうまくいかない」「返信はしているのに商談が前に進まない」とお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

海外営業・経営改善支援コンサルタント
海外ビジネスの最大化、ドンブリ経営からの脱却を支援
20年の海外ビジネス経験。2度の東南アジア駐在。海外営業マンとして約30カ国100社の海外企業との取引実績。
海外現地法人の経営者として、外国人組織のマネジメント経験。

これらの経験から2023年3月に独立開業、2025年4月に法人成りし、Atari Consulting株式会社を創立。わかりやすさとていねいさを強みとし、熱量とスピード感を持ってクライアント企業の事業を前進させます。

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