
海外企業と仕事をしていると、
「日本企業は返信が遅い」
という印象を持たれることがあります。
もちろん、日本企業の仕事が遅いというわけではありません。
むしろ、品質や正確性を重視し、慎重に対応している企業がほとんどです。しかし、その姿勢が海外では「対応が遅い」と受け取られ、商談のチャンスを逃してしまうことがあります。
今回は、海外営業でよく見かける**「日本企業あるある【コミュニケーション編】」**として、2つの事例をご紹介します。
あるある① 「亀さん並みのスピード感」
海外のお客様から問い合わせが届くと、多くの日本企業では、
- 工場へ確認する
- 技術部門へ相談する
- 上司の承認を得る
といった社内調整を行い、すべての回答がそろってから返信するケースが少なくありません。
一方で、その間にも競合他社は、
- 見積書を送る
- 仮提案を行う
- 次回の打ち合わせを設定する
など、すぐに行動を起こしています。
その結果、日本企業が見積書を提出した頃には、
「すでに他社で決まりました。」
というケースも珍しくありません。
なぜ返信が遅くなってしまうのか?
背景には、日本企業ならではの2つの考え方があります。
① 完璧主義
「100%正しい回答をしてから返信したい」
という考え方です。
正確性を重視する姿勢は日本企業の強みですが、海外営業では時間がかかりすぎると、商談の機会そのものを失ってしまうことがあります。
② 社内第一主義
もう一つは、
「まず社内調整を済ませてから、お客様へ回答する」
という考え方です。
もちろん社内調整は重要ですが、海外では「迅速なレスポンス」も信頼を築く重要な要素として評価されています。
改善ポイント
海外営業では、
「社内で決まってから返信する」のではなく、「まず返信して、お客様を待たせない」
という意識が大切です。
例えば、
お問い合わせありがとうございます。現在社内で確認しております。○月○日までに回答いたします。
このような一次返信だけでも、お客様は安心して待つことができます。
海外営業では、完璧さだけでなく、スピードも品質の一つです。
あるある② 「メールを送ったら終わり」
日本企業では、
「メールを送ったので、あとは返信を待つ」
というコミュニケーションが一般的です。
しかし海外では、それだけでは連絡が止まってしまうことがあります。
「送った」と「伝わった」は違う
日本では、
「メールを送った=相手に伝わった」
という感覚があります。
一方、海外では、
「相手が読んで初めて伝わった」
という考え方が一般的です。
つまり、送信したことではなく、相手が確認したかどうかが重要なのです。
海外では複数の連絡手段を使い分ける
海外では、メールを送った後に、
- LINE
- 電話
などを活用して、
「メールを送りましたので、ご確認をお願いします。」
と一言連絡することがよくあります。
特にASEANでは、メールよりもチャットアプリのほうが日常的に使われているケースも多く、相手が最も反応しやすい手段を選ぶことが重要です。
もちろん、会社のルールや情報管理を守ることが前提ですが、コミュニケーション手段を柔軟に使い分けることで、やり取りは格段にスムーズになります。
まとめ
海外営業では、コミュニケーションの質だけでなく、スピードも重要な評価ポイントです。
今回ご紹介したポイントをまとめると、
- 社内調整が終わるまで待たず、まず一次返信を行う
- メールだけに頼らず、電話やチャットアプリも活用する
- 「送った」ではなく「伝わった」を意識する
- 完璧さだけでなく、スピードも信頼につながることを理解する
この考え方を取り入れるだけでも、海外企業とのコミュニケーションは大きく変わります。
Atari Consultingでは、ASEANで20年以上の海外営業経験をもとに、海外営業の進め方やコミュニケーション改善、ディストリビューターとの関係構築まで、実践的な支援を行っています。
「海外企業とのやり取りがうまくいかない」「返信はしているのに商談が前に進まない」とお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

